OCTA

What's the OCTA

オープンで柔軟な拡張性の高いシステム
- オープンソース & マルチプラットフォーム -

4つのメソシミュレーションエンジン
COGNAC (スライドショー) / PASTA (スライドショー) / SUSHI (スライドショー) / MUFFIN (スライドショー)
追加エンジン
NAPLES / KAPSEL
共通のグラフィカルユーザーインターフェース (モデリングプラットフォーム)
GOURMET (スライドショー)
ズーミング
-多くのシミュレーションプログラムの協調
(ズーミングプロトタイプAMUSEのスライドショー)

OCTAは経済産業省の提案による産学連携プロジェクトで開発された ソフトマテリアルに対する統合的なシミュレータである。このプロジェクト の目的は、ソフトマテリアルのミクロな分子特性とマクロな 材料特性を仮想実験技術によって結びつけることである。これはきわめて 野心的な目的である。

ソフトマテリアルは数万、数億の原子を含む複雑な分子からできている。 ソフトマテリアルはさまざまなスケールの中間構造を持っており、それらの 特徴的な時間はナノ秒から年のオーダーに及ぶ。ソフトマテリアルを扱う 理論モデルもまた多様である:分子モデル、粗視化分子モデル、 連続体モデル、およびそれらの混合モデルなどソフトマテリアルの中間構造を 扱うために、さまざまなモデルが提案されてきた。それらは、同一の 対象を扱いつつも、異なる物理概念に基づくものであり、言葉も データ形式もまったく違ったものである。我々の任務は そのような多様なモデルを統合化することであった。これは 計算科学において、マルチ物理、マルチスケール問題と呼ばれる 困難な問題である。

この困難な問題を、私たちは、人々の協力によってもたらされる力 に望みを託して解決しようとした。私たちは、限られた問題に対する シミュレータを作るのではなくて、将来にわたって、成長するシステムを 作ろうとした。

OCTAはCOGNAC,PASTA,SUSHI,MUFFINという4つのシミュレーションエンジン とGOURMETというシミュレーションプラットフォームからなっている。 シミュレーションエンジンは、分子動力学、レプテーションダイナミクス、 界面ダイナミクス、ゲルダイナミクス、二相流体ダイナミクスなどの 計算を行う。シミュレーションプラットフォームはエンジンに対する共通の インタフェースを与え、異なるエンジンを協調させて問題を解く環境を 提供する。

日本語で、OCTAの八は末広がりを意味する。OCTAは完全なものではない。 ソフトマテリアルの関係する広い問題をカバーするには、 新しいエンジンを付け加えることが必要である。プラットフォームにも 機能拡張が必要である。我々は、システムが我々の手を離れても一人で 育ってゆくように、カスタマイズと機能拡張の容易性には特別に注意を払った。 このシステムが、皆さんのお役に立てば幸いである。またシステムについて どんなコメントでもいただければ幸いである。

土井正男
プロジェクトリーダ、名古屋大学

適用事例